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【満州文化物語(26)】3億円で買い集めた歴史的に貴重な本の数々 大連図書館が中国の古書籍を収集したのは…

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【満州文化物語(26)】
3億円で買い集めた歴史的に貴重な本の数々 大連図書館が中国の古書籍を収集したのは…

満鉄大連図書館(満鉄会提供) 満鉄大連図書館(満鉄会提供)

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 松岡洋右(ようすけ=元外相)は満鉄と縁が深い。理事、副総裁を歴任、昭和10(1935)年には総裁として満鉄に戻っている。

 副総裁時代の4年、松岡は気前よく10万円(現在の価値で2億~3億円)を図書購入費として特別に支出し、満鉄大連図書館長の柿沼介(かたし)を北京へ派遣する。目的は、政情不安が続く中国で散逸の恐れがあった漢籍(漢文で書かれた中国の古書籍)の収集だった。

 このとき、松岡は柿沼に「いずれ満州に東洋の学問を基調とした大学を創設したいので今のうちに漢籍を集めておきたい」旨(むね)を伝えている。それは形を変えつつ、13年、新京(現中国・長春)に創設される建国大学となって結実する。

 柿沼は、大連図書館の漢籍収集担当で中国文学者の松崎鶴雄(柔甫)をともなって北京に滞在すること1カ月あまり。3万点もの、漢籍の稀覯(きこう)本などを買い集めることに成功する。

 今やわずかしか現存していないとされる宋刊本の『淮南子』(えなんじ=前漢代の思想書)や『荀子(じゅんし)』『管子』。さらには、北京駐在30年に及ぶイタリアの外交官ロスから、清朝時代に写された中国の古地図600点あまり、中国のイスラム教関係図書、日本でまだ見た者がないという『西域同文志』などを譲り受けた。

 松岡総裁時代の11年には、今度は3万円をポンと出し、当時ほとんどが失われていた明代の『永楽大典』(別項参照)のうち、42冊を入手する。翌12年にはさらに4冊、以前から所有の2冊と合わせて大連図書館は計48冊となり、米国議会図書館を抜いて世界2位(トップは北京図書館の80冊あまり=いずれも当時)に躍り出たという。

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