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【再延期の波紋(上)】「戦力外通告」の財務省、最後まで蚊帳の外 増税の「誤ち」認めず官邸が不信感

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【再延期の波紋(上)】
「戦力外通告」の財務省、最後まで蚊帳の外 増税の「誤ち」認めず官邸が不信感

安倍晋三首相の消費再増税延期表明のニュースを伝える街頭ビジョン=1日午後、大阪市北区 安倍晋三首相の消費再増税延期表明のニュースを伝える街頭ビジョン=1日午後、大阪市北区

 「財務省がこの国をだめにしてきた」

 ある政府高官は最近、かつては「最強」と呼ばれた官庁をこう切り捨てた。

 優れた政策立案能力と永田町の隅々にまで築き上げた情報網を恐れられ、時の政権ですら直接対峙することを避けてきた財務省。しかし、平成24年に第2次安倍晋三政権が発足して以降は、重要な政策決定の過程で蚊帳の外に置かれる場面が目立つ。今回の消費税増税の再延期議論でも、為す術なく、首相の決断を受け入れるしかなかった。

 財務省は、首相が増税再延期の本格検討に入ってからも、「予定通りに消費税率を10%引き上げなければ財源不足が生じ、社会保障の充実策は難しい」と官邸サイドに訴えていた。

 だが、約3年半のアベノミクス効果で税収は国と地方で計約21兆円増えている。各報道機関の世論調査でも、再増税反対が一貫して過半を占めていた。夏に参院選を控えた政権にとって増税が逆風なのは明白だ。官邸は財務省に増税再延期を想定した財源確保の検討を指示したが、増税を悲願とする財務省は「アベノミクスによる税収増は財源にならないと繰り返すだけだった」(首相周辺)。

 官邸サイドには日に日に財務省への不信感が募っていった。そもそも、デフレ脱却の成否を左右する個人消費は、26年4月の消費税率5%から8%への引き上げ以降、低迷が続く。8%への増税による消費低迷は一時的だとした財務省は完全に見通しを誤っていた。

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