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【筆談キャッチャー 旅立ちの春(下)】結婚は社会を変えてから 明晴学園で学んだ「自立の意識」

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【筆談キャッチャー 旅立ちの春(下)】
結婚は社会を変えてから 明晴学園で学んだ「自立の意識」

スピード感のある力強い日本手話で、明晴学園の後輩に語りかける玉田宙=4月27日、品川区 スピード感のある力強い日本手話で、明晴学園の後輩に語りかける玉田宙=4月27日、品川区

 「聞こえない学生への、情報保障の仕組みがないのなら、自分で作る」

 桜美林大入学直後からノートテイク(ボランティア学生が講師の声を文字で伝える仕組み)の立ち上げ、手話通訳学生の育成にも奮闘する玉田宙(ひろ)(18)。負けん気と行動力の源流が両親の背中に見える。

 大田区のサラリーマン家庭。父の雅己(55)、母のさとみ(54)、長男の海士(かいと)(20)は健聴者だ。次男の宙が1歳9カ月のときに重度の難聴と診断され、一家全員で手話習得を始めた。

 その翌年の平成12年、両親は「全国ろう児をもつ親の会」を設立。当時のろう学校は手話を禁じており、口の動きを読んで発声を強いる「聴覚口話法」による教育が行われていた。それに疑問を持ったろう児の親たちと連帯し、8年がかりで、日本初の手話教育を行う私立ろう学校「明晴学園」(品川区)を設立した。玉田は小学5年時からの1期生。行政を動かし、企業の協力を得るために粘り強く行動する両親の姿が、原風景のなかにある。

 母校には、大学生になってからもたびたび顔を出している。4月27日には、中学部の後輩を前に講義をしていた。手話同士。動きは流れるように早く力強い。

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