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【筆談キャッチャー 旅立ちの春(中)】実はすごい!コミュニケーション力 地元の軟式野球チームに入団

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【筆談キャッチャー 旅立ちの春(中)】
実はすごい!コミュニケーション力 地元の軟式野球チームに入団

幼なじみの竹村光樹とバッテリーを組む玉田宙(右)。手話で野球ができる喜びに満ちていた。=4月24日、品川区 幼なじみの竹村光樹とバッテリーを組む玉田宙(右)。手話で野球ができる喜びに満ちていた。=4月24日、品川区

 バコーン! 軟式の球音が小雨空を突き抜けてゆく。高校では、健常者の中で硬式野球を貫くことに徹した玉田宙(ひろ)(18)だが、桜美林大に入学したこの春、地元のろう者の軟式野球チームに入団した。

 都聴覚障害者野球大会が開かれた4月17日と24日、品川区の野球場に、真新しいユニホームに袖を通した玉田の姿があった。躍動する選手の姿は健常者と変わらないが、ベンチからの檄も声援も手話だ。静けさのなか、グランドに風の音が鳴っていた。

 バッテリーを組む竹村光樹(19)は地元大田区で1年上の幼なじみ。立川ろう学校軟式野球部の元エースだ。軟式しか許されないろう学校で竹村とプレーするか、一般高で硬式か、玉田は最後まで悩んだ。

 竹村は現在、神奈川工科大2年生。「坊主頭を伸ばしたら、天然のアフロヘアが生えてきた」と笑うユニークな青年だ。仲間が手話と身ぶりでひやかす。「髪を帽子に入れろよ」。玉田も笑いが止まらない。まぶたや唇がキュッとしたり緩んだり、指や手のひらが颯爽(さっそう)と動く。100%通じる母語(手話)で好きなスポーツをやる。当たり前の楽しみを初めて味わい、捕手・三番打者として活躍。

 大田区チームは関東大会への進出を決めた。

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