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【海底資源「夢の泥」はいま(2)】トウ小平の戦略・中国レアアース開発で荒れ果てた山に無数の酸溶液の池 住民は歯が抜け…陸上破壊進み海洋進出か

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【海底資源「夢の泥」はいま(2)】
トウ小平の戦略・中国レアアース開発で荒れ果てた山に無数の酸溶液の池 住民は歯が抜け…陸上破壊進み海洋進出か

中国・江西省の山間部のレアアース採掘現場 =平成25年6月(宮崎紀秀氏提供) 中国・江西省の山間部のレアアース採掘現場 =平成25年6月(宮崎紀秀氏提供)

 江西省の小さな村に入った宮崎の視界に飛び込んできたのは、山肌に掘られていたいくつもの貯留池だった。土に酸をかけて分離したレアアースを回収し、池にはレアアースを抽出した酸溶液をためておく。「もう取り尽くしたという感じでしたね」。荒れ果てた山に無数の穴…。乱採掘を物語っていた。

 内モンゴル自治区を取材したときは、レアアース生産による環境破壊を目の当たりにした。

 同自治区の包頭(パオトウ)は「稀土大街」(レアアース大通り)や「稀土公園」(レアアース公園)がある、レアアースで栄えた都市だ。公園にはトウ小平の似顔入りで「中東有石油 中国有稀土」と揮毫(きごう)された石壁があった。

 包頭郊外の広さ10平方キロメートルの湖の向こうに見えるレアアース関連工場。工場が半世紀ほど廃水を垂れ流したためか、湖のかなりの面積は干上がり、荒涼とした地表が広がっていた。

 湖近郊の村を訪れると、住民の多くは歯が抜けていた。村では地下水を使って生活し、農作物や家畜を育ててきた。住民の話では、30年ほど前から作物は育たなくなり、家畜も歯が黒くなって餌を食べられなくなって死んだという。

 中国の陸上レアアース乱採掘や関連工場による環境破壊-。南鳥島(東京都小笠原村)沖でレアアース泥(でい)を発見した東大教授、加藤泰浩(54)はこう指摘する。「環境問題は持続可能な資源開発の最大の障害だ。中国の陸上レアアースは近い将来開発は難しくなるかもしれない」

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