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【薬価危機-迫られる選択(2)】国と製薬会社、高額薬めぐる攻防 引き下げルール化に米業界反発「1日延命 いくら払えるか」

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【薬価危機-迫られる選択(2)】
国と製薬会社、高額薬めぐる攻防 引き下げルール化に米業界反発「1日延命 いくら払えるか」

 花井さんは血友病の患者でもある。子供時代の人気番組は、主人公がプロ野球選手になる「巨人の星」。だが、「20歳まで生きられない」と言われ、スポーツはご法度。学校でも体育は見学だった。運動が命取りになりかねなかったからだ。

 「野球がやりたいって、親に泣いて頼んだんです」

 それから、半世紀弱。今の医療は、子供にスポーツを禁止せずに済む。医師が「けがを恐れすぎず、適度に運動し、友達と遊ぶことは成長のために重要」と言えるようになったのは、薬剤の進歩があるからだ。

 治療コストは上がったが、少年の夢をかなえられる。花井さんは、それが医療だと考えている。

 「市販薬で済むものは、市販薬で済ませ、命にかかわる疾病は最先端、最善の治療を受けられる医療がいい。延命が最上の価値なら、膨大なコストをかければ悪い状態でも生きられる。そこをどう考えるか」

 つまり、何を優先させて、何をあきらめるのか。だが、国民の合意がどこにあるのか、花井さんはよく分からないという。

 「1日、1カ月の延命に国民がいくら払うのか。そこがあいまいなまま、日本の皆保険は、最善の医療を保険ですべてカバーする方針で維持されてきた。でも、身もふたもないお金の話を、しなければならない時期に来ている」

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