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【満州文化物語(22)】芥川賞作家も日銀総裁も受けた型破りな「多読教育」 小学2年で漱石の『坊ちゃん』を…

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【満州文化物語(22)】
芥川賞作家も日銀総裁も受けた型破りな「多読教育」 小学2年で漱石の『坊ちゃん』を…

作家の安部公房 作家の安部公房

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 「砂の女」「箱男」などで知られる芥川賞作家の安部公房(こうぼう、1924~93)は奉天(現中国・瀋陽)育ちだ。満洲教育専門学校(教専)の付属小学校(後に奉天千代田小と改名)から奉天二中(旧制)、成城高校(同)、東京帝大医学部へ進む。小学校の同級生・先輩に日銀総裁の三重野康(やすし)や亜細亜大学長を務めた衛藤瀋吉(えとう・しんきち=ともに旧制一高-東京帝大)らがいたことは前回に書いた通りである。

 安部の父親は、満鉄がつくった満洲医大の助教授(医師)。少年時代は日本人居住地域にある満鉄社宅で過ごした。《私たち日本人が住んでいたのは、はじめ“鉄道租界”といっていた。満鉄に沿った地域でここが住宅地になっていた。(略)その風景は、ひとことでいえばレンガと風と荒野だ》(昭和46年「サンデー毎日」1月17日号)

 ヨーロッパ風のレンガや石造りの瀟洒(しょうしゃ)な住宅で営まれていた内地の大都市の上をゆくハイレベルな生活。上下水道、ガス、電話、水洗トイレを完備。服は洋装、女性はパーマをかけ、世界の料理に舌鼓。子供たちはピアノやバイオリンの習い事、おやつはチョコレートにアイスクリーム…。

 だが、一歩郊外へ出れば、地平線を望む荒涼たる大地やコーリャン畑が広がっている。満州っ子は、さらさら流れる小川も田植えや稲刈りもまず知らない。修学旅行などで初めて日本へ行き、満州とはまるで違う、ちまちまとした風景や貧しい暮らしにショックを受けるのが常だった。

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