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【空き家対策法まもなく1年】危険な空き家、強制撤去できるようになったものの…自治体側に新たな難問

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【空き家対策法まもなく1年】
危険な空き家、強制撤去できるようになったものの…自治体側に新たな難問

 放置されて倒壊の危険がある空き家を強制撤去できるなどの対策を盛り込んだ「空き家等対策特別措置法」が完全施行されてから、5月下旬で1年となる。自治体が強制撤去に踏み切るようになり、改善指導に応じてこなかった所有者が自主的に解体するケースも出始めた。水道の利用状況や固定資産税の納税情報などの照会も法的に認められ、空き家であることを確認したり、所有者を探す手段も増えた。一方で、空き家の活用対策などを盛り込む自治体の計画策定ははかどっておらず、国が対応に乗り出す事態になっている。(江頭悠介、高久清史)

「自分で解体したほうが安上がり」強制撤去回避の動きも

 「作業を開始してください」。東京都葛飾区宝町にある木造の空き家の前で、区幹部が拡声器で号令をかけた。この家は築50年以上が経過し、壁が大きく崩れるなど老朽化が激しい。近くには京成電鉄の線路が通り、区は倒壊などの恐れがあるとして、3月3日に強制撤去に踏み切った。

 約10年前に地域住民から苦情が寄せられ、区が対策を求めても所有者が応じない状態が続いていた。しかし、昨年5月26日に同法が完全施行されたことを受け、法に基づいて改善の指導、勧告、命令、強制撤去の手順を践んだ。解体と廃材処分の費用約180万円は区が所有者に請求する。

 前橋市では3月28日、危険な空き家に認定されていた木造の家を所有者が自主的に解体した。市では平成25年に空き家に関する条例を施行し、以前から所有者に改善を指導していたが、所有者は「資金がない」と拒んできた。しかし、市が法に基づく命令を出して所有者の費用負担を伴う強制撤去が現実を帯びると、態度を一転させた。

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