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「香港がチベットに」暗黒の10年後を描いた映画がヒット 「思考のウイルスだ」と中国メディアは酷評

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「香港がチベットに」暗黒の10年後を描いた映画がヒット 「思考のウイルスだ」と中国メディアは酷評

オムニバス映画「十年」でメガホンを取った監督ら。左端が周冠威氏、右端が伍嘉良氏=3日、香港・中環(ロイター) オムニバス映画「十年」でメガホンを取った監督ら。左端が周冠威氏、右端が伍嘉良氏=3日、香港・中環(ロイター)

「表現の自由残っている」

 「十年」は今月4~13日に開催された第11回大阪アジアン映画祭でも特集企画作品として上映され、大きな反響を呼んだ。その際に来日した、食料品店主の話「本地蛋」の監督、伍嘉良氏(34)は「こうなってはほしくないと思いながらも、作品として残して訴えたかった」と話した。

 中国共産党系の国際情報紙「環球時報」は社説で「十年」を「ばかげた悲観的な映画で、思考のウイルス」だと酷評した。また、当初、香港電影金像奨の授賞式のネット中継を中国全土で行うとしていた中国のインターネットサービス大手「騰訊控股(テンセント)」は、中継取りやめを発表した。「十年」が最優秀作品賞の候補となったためとみられている。

 映画の内容は暗く重いものだが、監督たちは決して絶望しているわけではない。周氏は「表現の自由がまだ残っていることに感謝しなくてはいけない。これを大事に守っていくことが肝要だ。観客の鑑賞後の反応も、香港が抱える問題への解決策を探ろうとする熱意にあふれている」と話す。伍氏も「今度は香港市民の前向きな情熱をスクリーンで表現したい」と述べている。「十年」は今後、海外でも興行上映される交渉が進められており、さらに反響を呼びそうだ。

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