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【秘録金正日(69)】「正恩、あいつだけは絶対ダメだ」デノミ失敗の責任転嫁され「親日・スパイ」嫌疑で処刑された経済ブレーンの無念

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【秘録金正日(69)】
「正恩、あいつだけは絶対ダメだ」デノミ失敗の責任転嫁され「親日・スパイ」嫌疑で処刑された経済ブレーンの無念

 「朴は親日分子のめかけの息子であり、地主の孫」だとした上で、冊子はこう記す。「祖父が土地を没収されたことに恨みを抱き、祖国解放戦争(朝鮮戦争)時期、隙を突いてわが隊伍に潜り込んできた間諜(スパイ)であり、社会主義経済建設を阻み、資本主義経済方式を取り入れようとして捕まった逆賊だ」

 韓国の情報機関、国家情報院の国会報告によると、処刑前、朴は「あいつだけは絶対ダメだ」と金正恩を痛烈に批判したとされる。後先考えずに計画を見切り発車させたうえ、責任を回避した“御曹司”に対する怒りだけは抑えられなかったのだろう。

 「私はこれまで、よい物を食べ、よい物を着て、よい生活をしてきたから党には感謝する」。最期にこうも言い残したとされる。「しかし、正恩、あの野郎だけはダメだ」

 責任は問われなかったものの、最初の実績作りを急いだ揚げ句、多くの住民を巻き添えにしたデノミの失策は、後継者の権威を傷つけ、後遺症は長く尾を引くことになる。=敬称略

(龍谷大教授 李相哲)

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