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【秘録金正日(69)】「正恩、あいつだけは絶対ダメだ」デノミ失敗の責任転嫁され「親日・スパイ」嫌疑で処刑された経済ブレーンの無念

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【秘録金正日(69)】
「正恩、あいつだけは絶対ダメだ」デノミ失敗の責任転嫁され「親日・スパイ」嫌疑で処刑された経済ブレーンの無念

 金正日が側近らに「資金調達方法の考案」を指示したのは09年春とみられる。そこで浮上したのが「貨幣交換措置」だ。デノミネーション(通貨呼称単位の変更)のことで、通貨単位を切り下げ、物価高騰に対処することが名目とされた。

 しかし、1990年代に200万人以上が餓死したとされる「苦難の行軍」以降、闇商売で稼いだ新興富裕層に、ため込んだカネをはき出させるのが本当の狙いだったといわれている。

 当時を知る脱北者の証言などを総合すると、朴南基(パク・ナムギ)が部長を務める党計画財政部が提案したデノミを性急に推し進めたのは、成果を焦っていた正恩だった。軍事作戦のごとく“電撃的”に実行させたという。

 鉄柱によれば、「デノミは、住民から(固形の)金を回収する作業から始められた。各中央機関の職員たちが地方に繰り出して金を買いあさった」。

 北朝鮮では、金の個人取引は禁じられている。だが、配給が途絶えた「苦難の行軍」時代に外国商品と確実に交換できる金を求める住民が増え、金鉱周辺や砂金が出る地域、ジャンマダン(闇市場)でひそかに取引されていた。

 当局は、金1グラム当たり20万ウォン(約6700円相当)を支払い、政府認定の買い取り証明書も発行した。

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