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刺身もうまい! 長野で「信州大王イワナ」が誕生 バイオ技術で巨大化 信州サーモンに並ぶ名物となるか!?

長野県で、新開発のブランド魚が今秋出荷される。同県水産試験場が胸を張って市場に送り出すのは、山々に深く刻まれた渓谷の清流をふるさとに持つ「信州大王(だいおう)イワナ」だ。大王の名の通り、バイオ技術によって、イワナの大型化に成功。焼いて食べるのが主流だったイワナが、刺し身や寿司でもおいしく食べられるようなった。市場が品薄状態の「信州サーモン」に続き、量産化が軌道に乗れば、長野が水産県になるのも夢ではない。
(長野支局 太田浩信)
産卵せず肉質維持
イワナは通常、秋の産卵でエネルギーを消費して肉質が大きく低下する。養殖の場合でも産卵前の20センチ前後の大きさで出荷されることが多く、宿泊施設や飲食店にとって、年間を通じて客においしい状態で提供するのが課題となっていた。
大きな期待を背負う信州大王イワナは、バイオ技術を使って成熟しても産卵しない不妊化を施すことで、肉質を維持したまま早く大型化できる量産技術を応用して開発された。