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【軽井沢スキーバス転落】事故の瞬間、記憶なく「なぜ自分が生き残ったのか…」 生き残った乗客を悩ます「サバイバーズ・ギルト」とは

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【軽井沢スキーバス転落】
事故の瞬間、記憶なく「なぜ自分が生き残ったのか…」 生き残った乗客を悩ます「サバイバーズ・ギルト」とは

国交省が公開した国道18号線、事故現場から約1キロ手前の監視カメラ映像。画面中央が事故を起こしたスキーツアーの大型バスとみられる (国土交通省提供) 国交省が公開した国道18号線、事故現場から約1キロ手前の監視カメラ映像。画面中央が事故を起こしたスキーツアーの大型バスとみられる (国土交通省提供)

 監視カメラの映像などによると、土屋広運転手(65)=死亡=のバスは現場から約1キロ手前で下り坂に入った時点では比較的ゆっくり走行していたが、約250メートル手前でかなりのスピードでセンターラインをはみ出しながら左カーブを曲がり、約100メートル地点の右カーブでガードレールに軽く接触、続く左カーブで崖下に転落した。

 この際、ギアはニュートラルに入っていたことが判明。ニュートラルではエンジンブレーキが利かないことから、現場の下り坂でフットブレーキで減速しきれず制御不能に陥った可能性がある。

「どうしてオレが生きているのか」…消えぬ苦悩

 人為的な操作ミスだった可能性が浮上する中、生存者たちはやりきれない思いと、苦悩を抱える。

 冒頭の男子大学生は「自分に何かできることはあったんじゃないか、声を掛けるだけじゃなくて、多少動けたんだから助けられたんじゃないか、とか悔やんでいる」と話す。

 そしてこう自問する。「どうしてオレが生きて、向こうが死んだんだろう。前まではそういう事故があっても気の毒なひとごとだったが、まさか自分に降りかかるとは思わなかった。なにが生死を分けたのか、本当にわからない」。

 長野県佐久市の病院の院長によると、事故現場から搬送された東京都内の男子大学生は退院を勧めた際に「車には乗りたくない」と強く主張し、新幹線に乗れるようになるまで退院を延期したいと希望した。この学生は通常の会話の途中ですぐ目を伏せたり、言葉が続かなかったりと精神的ショックが続いている様子だという。

 関係者によると、災害や事故から難を逃れた人が、生き残った自分を責めてしまう「サバイバーズ・ギルト」(生存者の罪悪感)と呼ばれる感情を抱くケースがあるという。

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