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【秘録金正日(59)】失政で餓死者200万人超、「米韓のスパイだ」責任転嫁し仕掛けた粛清劇

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【秘録金正日(59)】
失政で餓死者200万人超、「米韓のスパイだ」責任転嫁し仕掛けた粛清劇

 1995年夏、北朝鮮は100年に1度といわれる大洪水に見舞われる。金日成(キム・イルソン)時代に「主体(チュチェ)農法」と称して造成した段々畑はもろくも流され、韓国側の推定で穀物収穫量は年間345万トンに落ち込む。

 国内需要には約130万トン足りず、手立てを講じなければ、餓死者が出るのは明らかだった。しかし、金正日(ジョイル)は「苦難の行軍」をスローガンに掲げて乗り切ろうとした。抗日闘争時代、日成の部隊が木の皮で飢えをしのいで行軍した逸話にちなみ、国民にただ我慢だけを強いたのだ。

 食糧不足がピークに達した96年には全国に飢餓が広がり、人口約17万人の北東部、金策(キムチェク)市だけでも毎日200人以上の餓死者が出た。元朝鮮労働党中央委資料研究室副室長の金徳弘(ドクホン)が後に見た内部の統計資料では「96年11月までに少なくとも100万人が死んだ」という。この大飢饉(ききん)での犠牲者は最終的に200万人以上に達したといわれる。

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 全ての責任は、権力を独占する金正日にあったが、言い逃れに終始する。

 「(金日成)首領さまは生前、私に絶対、経済生活(運営)には深く関与してはならないとおっしゃった。党や軍事活動もできなくなると、何度もおっしゃったのです」(96年12月、金日成総合大学での談話)

 民心が離れていくなか、正日は「思想戦」(党員・住民の思想検閲運動)を打ち出す。

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