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【シニア異変】
仕切りたがる「オレ様」急増で衰退か ゲートボール人口が減少している

シニアスポーツといえばゲートボールを思い浮かべる人は多いが、最近の主流はグラウンド・ゴルフといい、フィットネスクラブなども人気だ。背景には、新たなシニア世代に個人主義が浸透していることや、若いときから多様なスポーツを楽しんできたことなどが関係しているようだ。そして、どこの社会にも仕切りたがる人がいて…(平沢裕子)
愛好者は5分の1に
「それじゃあ、だめだ。こうやって打つんだよ」
東京都江東区の公園。ゲートボールの練習をするシニアのうち、リーダーとみられる男性が、女性に厳しい口調で指示を出していた。少し離れた場所でその様子を眺めていた70代男性は、半年前にゲートボールをやめた。理由を尋ねると、「打つ度に指図されるのがいやになってね。なんであいつに言われなきゃいけないんだと腹が立って。もう楽しくなくなっちゃったから」と打ち明けた。
ゲートボールは1チーム5人で競う団体競技。もともとは戦後の混乱期で遊び道具のない子供たちが楽しめるようにと開発されたものだが、手軽で体力的な負担が少ないことから高齢者に適したスポーツとして広がった。日本ゲートボール連合によると、愛好者は約20年前は600万人だったが、現在は約120万人と5分の1に減っている。