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【「価値」漂流 第1部】家族のかたち(1)「結婚しないの?」は暴言か…「喜怒哀楽共にして絆生まれる」

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【「価値」漂流 第1部】
家族のかたち(1)「結婚しないの?」は暴言か…「喜怒哀楽共にして絆生まれる」

 山田さんの考えは明確だ。「数十年後、今の会社があるかも親がいるかも分からへん。だからこそ、その時にお互い支えていける家族がいればいいやん」

 生涯未婚率の上昇は、少子化や社会保障制度の存続に直結する問題でもある。

 諸富教授は「結婚という型にはめられることは面倒な半面、喜怒哀楽を共にすることで生まれる絆がある」とした上で、警鐘を鳴らす。「今後は介護の担い手不足が深刻化していく。貧困や孤独な老後は一部の特別な人ではなく、日常の問題になりつつある」

 「価値観の多様化」が重視される中、伝統的な結婚観は「押しつけ」「古くさい」とされがちだが、そこに落とし穴はないか。性別や年齢にかかわらず突き付けられた問いだ。

 時代の変化とともに移りゆく価値観。かつて正しいと思われていたことが、通用しなくなることもある。では、本当に「新しい考え」が至上なのか。われわれが置き忘れてきたものはないのか。第1部は家族をテーマに考察する。

結城康博・淑徳大教授「少子化進めば社会保障制度破綻」

 生涯未婚率が増えている第一の理由は、終身雇用が崩壊して非正規雇用が増え、結婚適齢期の男性の収入が安定しない点にある。団塊ジュニア以降の世代に「他人と暮らすより自由な時間を過ごしたい」という個人を大切にする価値観が浸透したこともある。20代、30代にとっては子供の教育費なども負担で、構造的に結婚したくてもできない社会になっている。

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