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【話の肖像画プレミアム】藤城清治(91)=影絵作家=「暮らしの手帖」連載のきっかけは、停電

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【話の肖像画プレミアム】
藤城清治(91)=影絵作家=「暮らしの手帖」連載のきっかけは、停電

藤城清治さん(川口良介撮影)

傷付いた自然を描く

 〈今月刊行した作品集「藤城清治の旅する影絵 日本」(講談社)には、全国150カ所以上の風景を描いた影絵が収められている〉

 僕はこれまで、人形や影絵の劇団活動で国内外を回ってきました。長らくメルヘンの世界と演劇に没頭してきましたが、一方で絵も描きたくて、行った先々で、写実的なデッサンも続けていました。

 また地方を回るようになった20~30年前から、訪れた土地の古い建物や自然の魅力を強く感じるようになりました。その土地にしかない商店や民家、お寺や神社があり、自然や動物も、実に美しい色や形を持っている。年齢とともに、そうした自然や風景を掘り下げたいという思いが強くなったんです。

 〈作品集所収の「悲しくも美しい平和への遺産」は、平成17年にサイン会で広島市を訪れた際、衝動に駆られて原爆ドームをスケッチし、影絵にした作品だ〉

 焼け付いたレンガや、苔(こけ)むしたコンクリートがある一方、近くにある木からは今も葉っぱが生えている。数多くの命が失われた原爆の痕跡に、衝撃を受けたんです。時間をかけてデッサンをしていくと、描いているうちに、そこに込められた思いのようなものが浮き上がってくる。歴史のこもった、傷付いた自然を描くことで、未来への希望も描けるのではないか-。次第に、そう思うようになりました。そしてそこに、自分のメルヘン的な要素も入れたかった。

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