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【話の肖像画プレミアム】藤城清治(91)=影絵作家=「暮らしの手帖」連載のきっかけは、停電

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【話の肖像画プレミアム】
藤城清治(91)=影絵作家=「暮らしの手帖」連載のきっかけは、停電

藤城清治さん(川口良介撮影)

 〈影絵創作や劇団活動の一方、当時から映像文化への関心も強かった〉

 絵本を出した後、東京通信工業という会社から、「『オートスライド』という映写機の製品に、影絵を使いたい」と連絡がありました。花森さんは「どこの馬の骨か分からない」と反対しましたが、僕は面白そうだと思って、品川の会社に行ってみたんです。小さな建物でしたが、ルノーの小型車が10台くらい並んでいた。僕もルノーを気に入っていたから、感覚が鋭いと思って、仕事を受けたんです。そうしたら、花森さんに怒られちゃった。

 その会社は、現在のソニーです。やっぱり、いい感覚を持っていたのだと思います。花森さんもその後すぐ、「あそこはいい会社だな」と言っていました(笑)。

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 〈昭和27年にテレビの試験放送が始まると、NHKと契約を結び、影絵などを使った番組制作にも携わった〉

 試験放送で表示される番組のタイトル作りやドラマの背景など、いろんなことをやらせてもらいました。「せむしの仔馬(こうま)」(ロシアの童話)の影絵劇を1時間半、ノーカットで流すという、実験的なこともやりました。当時は全て生放送ですから、演奏も「生」。作曲家の伊福部昭さんに指揮をしてもらい、後にも先にもない、貴重な経験でしたね。

 作曲家の芥川也寸志さんに演奏を頼んだこともあるし、NHK放送劇団の研究生だった黒柳徹子さんとも仕事をしました。僕は「暮しの手帖」で編集や印刷に詳しくなり、映像やテレビのことも知ることができた。最先端のいろんな人たちとの出会いが、僕の糧になっています。

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