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【東日本豪雨を振り返る】荒れた農地、地下水に大腸菌… 年の瀬迎えた被災地では生活再建の日々が今も続く

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【東日本豪雨を振り返る】
荒れた農地、地下水に大腸菌… 年の瀬迎えた被災地では生活再建の日々が今も続く

麦畑だった一角に放置されているがれき=12月24日午後、茨城県常総市三坂町(桐原正道撮影)

 茨城、栃木両県を流れる鬼怒川の堤防が決壊し、濁流が町や人々の生活を飲み込んだ9月10日の東日本豪雨。今も記憶に生々しい豪雨被害からの復興の現状を見ようと24日、大きな被害を受けた茨城県常総市を訪れた。一方、防災・危機管理を握るはずの役所の情報発信の混乱ぶりについて、改めて振り返った。

 地下水今も使えず

 初めに訪ねたのは、同市水海道諏訪町にある常総市役所。1階部分には濁流が流れ込み大きな被害を受けたが、当時の傷跡は見る影もなく、きれいに復旧されて機能を回復している。市役所までの道のりも、飲食店などは再開している店舗が多く、水害を思い起こすものは少ない。

 市役所の建物を出ると、給水車が止まっていることに気付いた。市内の水道は復旧して久しいが、なぜ給水が必要なのだろうか。

 同市箕輪町の女性(79)は「地下水から大腸菌が検出されたから、お茶をいれる水をくみに来た」と教えてくれた。

 自宅に水道は通っておらず、地下水をポンプでくみ上げて使っていたが、大腸菌の値はまだ下がらないという。女性は疲れた表情を見せながら、こうつぶやいた。「いつまで水くみに来ればよいのか」

 続いて、同市三坂町の堤防決壊現場に向かった。濁流で崩れた県道は、今月18日に開通した。付近のえぐり取られた土地もかさ上げが進み、目に見えて復興は進んでいる。

 一方、決壊現場から400メートルほど離れた場所では、近くに住む農業の男性(65)が、じっと荒れ果てた畑を見つめていた。視線の先には、めちゃくちゃに壊れた農業用機械と、放置された電柱や家屋の一部。男性は「土の中に細かいがれきが入っていて耕すこともできない。農業は続けたいけれど、来年はどうなるか分からない」と打ち明ける。

 一歩一歩、復興に向かって歩を進めている常総市。インフラの復旧は急ピッチで進んでいるが、一方で際立つのが市民生活の再建の遅れだ。

 まだまだ不自由な生活を送っている市民は多い。来年も引き続き、常総市と住民を見つめ続けたい。

     (桐原正道)

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