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【アメリカを読む】オバマ政権、人民元のSDR入りを渋々容認 新たなチャイナリスクに「IMFは大局観を失っている」との声も

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【アメリカを読む】
オバマ政権、人民元のSDR入りを渋々容認 新たなチャイナリスクに「IMFは大局観を失っている」との声も

11月30日、パリで開幕した国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の会場で会談し、握手するバラク・オバマ米大統領(左)と中国の習近平国家主席。同じ日に人民元のSDR入りが発表されたが、決定を容認した米国の本意は100%支持ではなかった(AP)

 国際通貨基金(IMF)は11月30日の理事会で、人民元を準備資産「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に加えることを正式に決めた。採用に消極的だったオバマ政権も賛成に回り、人民元採用を強く求めてきた中国の国際金融市場での存在感拡大を容認する形となった。IMFには人民元採用で金融制度改革を後押し、中国経済を安定成長の軌道に乗せようとする思惑もちらつく。しかし人民元の採用は資本流出を招くなどして中国経済をかえって混乱させかねないというリスクもあり、場合によっては、国際金融情勢が一気に緊迫する可能性も指摘されている。

悔しさにじむコメント

 「中国経済の世界の金融システムへの統合に向けた重要な一里塚だ」。IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事(59)は11月30日、IMF内で記者会見を開き、人民元の国際化に期待を示した。

 理事会での構成通貨の見直しには議決権ベースで70%以上の賛成が必要。このため約17%の議決権を握る米国が反対し、それに日本や欧州の一部が同調すれば人民元の採用が見送られる可能性もありえた。しかし実際には欧州各国が早くから人民元採用の原則支持を表明。米国も理事会での投票で賛成に回らざるを得なかった。

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