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【秘録金正日(55)】壮大な“虚構”映したカラーテレビ工場 コーヒー1杯さえケチった外貨で側近手なずけ

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【秘録金正日(55)】
壮大な“虚構”映したカラーテレビ工場 コーヒー1杯さえケチった外貨で側近手なずけ

1988年8月、ドイツの設備を導入し、平壌郊外に完成したセメント工場を視察する金正日(左)=北朝鮮刊行の『金正日指導者』から 1988年8月、ドイツの設備を導入し、平壌郊外に完成したセメント工場を視察する金正日(左)=北朝鮮刊行の『金正日指導者』から

 朝鮮人民軍最高司令官の座を手にした金正日(キム・ジョンイル)が軍の再編に傾注していた1992年、父、金日成(イルソン)は政権運営への意欲を失い、老いが目立つようになる。

 「以前の金日成ではなかった。既に元気も消えうせ、金正日への権力移譲の成功ばかり考える老人に変わっていた」と元朝鮮労働党書記の黄長ヨプ(=火へんに華)(ファン・ジャンヨプ)は振り返る。「息子に露骨におべっかを使うようになった」

 80歳を迎える日成は、正日の公称50(実際は51)歳誕生日に「白頭山頂正日峯」と始まる頌詩(しょうし)を贈る。孫の金正恩(ジョンウン)が3歳のときに筆ですらすらと書き写したと北朝鮮が宣伝する漢詩だ。恥ずかしげもなく、「文武を兼ね備えた息子を万民がたたえる」とうたったのは、政権運営の実態を知らずにいたからだろう。

 黄とともに韓国に亡命した元党中央委資料研究室副室長の金徳弘(ドクホン)は、正日が父親をだまし続けていたと証言する。

「毎日3回ハンマーで殴られ」

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が音頭をとって金日成の誕生日に合わせ、平壌に「愛国天然色(カラー)テレビ組立工場」を建てた。金正日が4月、父を工場に案内する。目の前を流れる製品を見て日成は大喜びで告げた。

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