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【秘録金正日(54)】韓国を選んだ中国の“背信”に追い打ち…「ひな壇に砲撃」露見した親ソ派将校のクーデター計画

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【秘録金正日(54)】
韓国を選んだ中国の“背信”に追い打ち…「ひな壇に砲撃」露見した親ソ派将校のクーデター計画

 金正日(キム・ジョンイル)にとって1990年代初めは、朝鮮人民軍最高司令官に就任し、念願の軍権を手にした一方、“内憂外患”が重なった時期だ。91年末のソ連崩壊の衝撃が収まらないなか、中国も北朝鮮を突き放す動きに出る。負債まみれの北朝鮮の実情をくみ、続いてきた物同士を交換するバーター貿易を92年1月からは現金決済に切り替えた。

 92年4月13日、中国国家主席の楊尚昆は、冷凍豚肉400トンを手土産に平壌を訪れる。金日成(イルソン)80歳誕生日を祝う名目だったが、特別な任務を託されていた。

 韓国との国交交渉について通告することだ。楊の出発当日、北京では、外相の銭其シン(=王へんに深のつくり)が韓国外相の李相玉(イ・サンオク)と詰めの協議を行っていたのだ。

「万里の長城も見るな」

 楊尚昆は金日成に「年内に韓国と国交を結ぶでしょう。不可避な選択です」と切り出す。「1年もすれば、状況は変わります。1年だけ待ってくれませんか」との日成の訴えに、楊は即答を避けた。

 中国政府は7月15日、銭其シンを平壌に送り、日成の面前で中韓国交樹立の決定を伝えた。初代駐韓大使となる張庭延によると、「その瞬間、金日成は、沈痛な表情でしばらく考えてから口を開いた」という。

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