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【地球温暖化の行方】2050年には紅葉の見頃がクリスマスに…温暖化は年々深刻化 スカスカなミカン、着色不良のリンゴも

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【地球温暖化の行方】
2050年には紅葉の見頃がクリスマスに…温暖化は年々深刻化 スカスカなミカン、着色不良のリンゴも

 コメの生産量日本一の新潟県は今年10月、主力のコシヒカリよりも収穫期が遅く、温暖化に対応した新品種「新之助」を発表した。同県では、平成22年の猛暑で一等米の比率が前年の89%から21%に急落したが、試験栽培時の新之助はこのとき、猛暑を乗り越えた。

 従来とは異なる香りや粘りなどの「食味」も追求しており、開発した県農業総合研究所作物研究センターの石崎和彦育種科長は「コメの品種改良は各地で行われている。高温に強いだけでは、新潟ブランドは保てない」と話す。

ミカン3割減収、大きく動く適地

 一方、果樹栽培では適地が北上し、ミカンは現在の主要産地の多くで安定生産が困難になり、東北南部の沿岸部まで適地が動く可能性がある。すでに深刻な被害の出ている産地では、こうした将来予測への対応が始まっている。

 平成26年の温州ミカンの収穫量が12・8万トンで全国2位の愛媛県では、この10年で収穫量が3割近く減った。温暖化による品質の低下が一因で、県は21年度から、高温に適した「ブラッドオレンジ」の栽培や商品化を支援する産地化事業に乗り出した。

 ただ、転換する農家は一部にとどまっており、“主力”の転換は難しい。県の担当者は「温州ミカンへの影響をいかに軽減するかが最大の課題」と打ち明ける。

 農作物への温暖化の影響に詳しい農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の杉浦俊彦上席研究員は「温暖化は将来の問題ととらえられがちだが、すでに影響が出ている。品種の転換では、果樹の場合、植え替えから5、6年間は収穫ができなくなるなど、農家の負担は大きい。切り替えで市場価値が高まるなど“プラスアルファ”がなければなかなか導入は進まない」と指摘している。

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