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【防衛最前線(49)】
海自新型掃海艦「あわじ」 世界屈指の機雷除去能力をフルに発揮できる最新鋭FRP艦
海上自衛隊の新型掃海艦の命名・進水式が10月27日に横浜市で開かれ、「あわじ」と名付けられた。平成29年3月に就役する。海自幹部は「船体、機能ともに最新鋭の掃海艦だ」と期待を寄せる。
あわじは、「やえやま」型掃海艦の後継として配備される。やえやま型には1番艦の「やえやま」、2番艦「つしま」、3番艦「はちじょう」の3隻があるが、老朽化による退役が迫っている。今後は性能を向上した「あわじ」型が建造され、随時、置き換わっていく。あわじは、「あわじ型」の1番艦にあたる。
海自の掃海艦艇には島や海峡の名前を冠することが通例となっている。あわじの艦名は兵庫県の淡路島に由来。海自の部隊などから募集し、中谷元防衛相が決定した。
海自の掃海艦艇の大半が木造なのに対し、あわじの船体には繊維強化プラスチック(FRP)が採用された。機雷の除去を任務とする掃海艦艇には、護衛艦のような鋼材は使用できない。感応機雷の出現以降、触雷を避けるために船質に非磁性を求められるようになったためだ。
これまでは木造が主流だったが、海水による腐食が進みやすく、船体の寿命が15年程度と短い。FRPを使用することで海水に強くなり、耐久性や強度も増し、寿命は倍の30年近くに延びるとされる。