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【世界記憶遺産】
中国版「アンネの日記」こそが南京大虐殺がなかった証拠だ! 藤岡信勝(拓殖大客員教授)
月刊正論2016年1月号。お求めは記事中の「ご購入はこちらへ」のリンクからどうぞ
「中国版・アンネの日記」の狙い
新華社通信は、登録決定のあと、世界記憶遺産に登録された「南京大虐殺に関する資料」を次の11項目であると公表した。(毎日新聞10月11日付)
(1)国際安全区の金陵女子文理学院の宿舎管理員、程瑞芳の日記
(2)米国人のジョン・マギー牧師の16ミリ撮影機とそのオリジナルフィルム
(3)南京市民の羅瑾が死の危険を冒して保存した、旧日本軍撮影の民間人虐殺や女性へのいたずら、強姦の写真16枚
(4)中国人、呉旋が南京臨時(政府)参議院宛てに送った旧日本軍の暴行写真
(5)南京軍事法廷が日本軍の戦犯・谷寿夫に下した判決文の正本
(6)南京軍事法廷での米国人、ベイツの証言
(7)南京大虐殺の生存者、陸李秀英の証言
(8)南京市臨時(政府)参議院の南京大虐殺案件における敵の犯罪行為調査委員会の調査表
(9)南京軍事法廷が調査した犯罪の証拠
(10)南京大虐殺の案件に対する市民の上申書
(11)外国人日記「南京占領-目撃者の記述」
新華社電による11項目のうち、真っ先に上がっているのは「国際安全区の金陵女子文理学院の宿舎管理員、程瑞芳の日記」である。そこで本稿では、とりあえずこの資料を検討することとする。
程瑞芳などという人名を知っている日本人はほとんどいないが、それもそのはず。この資料が発見されたのは21世紀に入ってからで、著者が程瑞芳という女性の舎監であることを割り出したのは中国共産党である。
どうしてこの資料が最初に挙げられるのかという事情を探ってみると面白いことがわかる。
第1に、そもそも中国がユネスコの記憶遺産を政治利用できることに気付いたのは、2009年にオランダが申請した「アンネの日記」が登録されたことがヒントになったといわれている。「その手があったか」ということで、「南京」を日本叩きの外交カードにするために、中国はこの制度の利用を思いついたのである。
第2に、女性の日記であるという共通性を利用し、「中国版・アンネの日記」として打ち出せば世界的に宣伝するのに都合がいいと考えたのだろう。一種の「コバンザメ商法」で、「アンネの日記」の知名度に乗っかって「程瑞芳の日記」を世界的に有名にしようと狙ったと思われる。ただし、アンネ・フランクがうら若い女性であったのに対し、「東洋のアンネ」はすでに孫のいる女だった。
