産経ニュース

【世界記憶遺産】中国版「アンネの日記」こそが南京大虐殺がなかった証拠だ! 藤岡信勝(拓殖大客員教授)

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【世界記憶遺産】
中国版「アンネの日記」こそが南京大虐殺がなかった証拠だ! 藤岡信勝(拓殖大客員教授)

月刊正論2016年1月号。お求めは記事中の「ご購入はこちらへ」のリンクからどうぞ

 現在、南京事件に関する日本政府の公式見解は、「非戦闘員の殺害や略奪行為などがあったことは否定できないが、被害者の具体的人数は諸説あり、正しい数を認定することは困難」(外務省ホームページ)というものだ。今回、中国は資料の一つとして南京軍事法廷の判決を入れている。この中に「30万人」と書かれているので、それに反論するという筋立ては成り立つとは言え、南京事件の存在自体は認めるという立場に立つ限り、反論の足場が弱くなることは否定できない。なぜなら、小規模といえども、事件があったとすれば、それに関する資料を提出することは形式的には正当化されるからである。従って、公式見解を、少なくとも「事件の存在自体を否定する説も含めて諸説ある」というふうに変えていただきたいと思う。

 ここで、私は日本の政治・外交を担っているトップエリートの皆様に是非お願いしたいことがある。東中野修道・亜細亜大教授の『「南京虐殺」の徹底検証』(1998年、展転社)以後の「事件否定派」の研究を真面目に読んでいただきたいと念願する。

 過去15年間の南京研究の成果を要約するのは簡単ではない。もし、その結論をひとことで表すとすれば「南京戦はあったが、『南京虐殺』はなかった」というものである。この命題は非常によく出来ていて、私が監修したパンフレットのタイトルにもなっているのだが、この命題に南京事件に関わるすべての論点を解明するカギがあるといえる。

 この命題のもとでは、南京事件に関わるどんな話題でも、「それは南京戦に属するテーマなのか、それとも南京虐殺に属するテーマなのか」を判別することが求められる。「虐殺」とは武器をもたない非戦闘員を、根拠なしに武器を帯びた兵士が殺害することである。

 例えば、日本テレビで10月4日の深夜に放映され、10月11日に再放送された「南京事件-兵士達の遺言」は、城外の戦闘をテーマにしたものであって、市民の「虐殺」とは別の話なのに、これを混同して描いていた。虐殺の存在を肯定する立場の人々は、両者の分割線を絶えず曖昧にする。

 中国共産党の南京事件の定義ははっきりしていて、「南京陥落後の1カ月半の間に、南京城内で非戦闘員の市民30万人を不法に殺害した」というものである。これが「虐殺」に関わるテーマである。

「ニュース」のランキング