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【世界記憶遺産】
中国版「アンネの日記」こそが南京大虐殺がなかった証拠だ! 藤岡信勝(拓殖大客員教授)
月刊正論2016年1月号。お求めは記事中の「ご購入はこちらへ」のリンクからどうぞ
今回の登録の基本的な問題点を列挙すれば、次の通りである。
(1)中国の申請がそもそも「心の中に平和を築く」というユネスコ設立の趣旨に反する内容であること
(2)記憶遺産は人類的な価値のある文化遺産を保存するための制度であるのに、中国の申請はその趣旨に反する国際機関の政治利用であること
(3)申請資料の内容が公開されず、日本側に反論の機会が全く与えられなかったこと
(4)諮問委員は資料保存などの専門家ではあっても、歴史の専門家ではなく、歴史資料の評価を行う能力を欠いていること
(5)諮問委員会の決定は、申請国のロビー活動の結果で事実上決まること
(6)審議は公開されず、密室で決定されること
(7)ユネスコの事務局長がもともと中国寄りの立場の人物であること--
これを見れば、殆どお話にならないデタラメと不正が行われていると疑われても仕方がない。
右のうち、最後の(7)について補足しておく。現事務局長のイリーナ・ボコバ氏はブルガリアの出身の女性で、ブルガリア共産党の党員であった。フランス大使などの要職を経て、2009年からユネスコの事務局長に就任した。
重大なことは、彼女が、西側諸国が揃って出席を拒否した中国の抗日戦勝記念行事に出席していたことである。9月3日には天安門で最新兵器のパレードを参観し、習近平とのツーショット写真におさまり、習近平夫人との対談までしている。
この親中派のボコバ氏が、次期の国連事務総長を狙っていると言うから穏やかではない。東欧出身の、初めての女性事務総長として待望論があるのだという。もしそんな人事が実現すれば、国連は中国の道具に成り下がるだろう。
南京戦はあったが「南京虐殺」はなかった
「慰安婦」が却下され、「南京」が登録されたことで、戦後70年歴史戦の今年残りのテーマの中心は、否が応でも「南京事件・南京大虐殺」ということになった。
南京事件については、日本において1970年代以降の長い研究と論争の歴史がある。そもそも1970年代前半までの歴史教科書には「南京事件」は全く載っていなかった。
