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【三島由紀夫没後45年(下)】三島に斬られ瀕死の元自衛官「潮吹くように血が噴き出した」

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【三島由紀夫没後45年(下)】
三島に斬られ瀕死の元自衛官「潮吹くように血が噴き出した」

三島由紀夫らと格闘の末、重傷を負った元自衛官の寺尾克美さん。刀傷が残るドアの前で当時の様子を語った=11日、東京都新宿区の防衛省・市ケ谷記念館(寺河内美奈撮影)

 寺尾は当時、会計課予算班長の3佐で41歳。総監室近くの会議室で9人の幹部自衛官と次年度予算の編成中だった。「総監が拘束されている」。急変を告げる声に、全員が「なぜ!」と飛び出した。体当たりして総監室ドアのバリケードを破った。縛られた総監の胸元に短刀を押しつける森田必勝=当時(25)=の姿が目に飛び込んできた。

 「鍛えた体で目が鋭く光っていた」。隙を見て飛びかかり、押さえ込んで短刀を踏み付けると、すかさず三島が刀を構えて迫ってきた。「木刀だと思っていたから、かっこいいなと思う余裕がまだあった」 

 背中を斬られた。「『出ないと殺すぞ』と脅す程度で傷も浅かった。でも出ようとしなかったから、三島さんもだんだん力が入って…」。四太刀目の傷は背骨に平行して23センチ、5センチの幅に達した。短刀を奪い、医務室へ向かう途中、背中から「クジラが潮を吹くように血が吹き出した」という。

 搬送先の自衛隊中央病院で、三島と森田が割腹自決したことを知らされた。

 「組み合ったとき、間近で見た森田君の顔は今も忘れない。まだ、あどけなさが残っていた。後にテレビ番組に出演した森田君のお兄さんが『信奉する三島由紀夫と最後まで行動を共にしたのだから、本望、立派だったと思いたい』とおっしゃっていたが、まさにそれが全てだと思う」

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