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【iRONNA発】村上春樹はなぜノーベル賞を取れないのか 黒古一夫(文芸評論家)

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村上春樹はなぜノーベル賞を取れないのか 黒古一夫(文芸評論家)

村上春樹氏がノーベル文学賞の受賞を逃し、書店に展示した看板を片付ける店員 =10月8日午後、東京都新宿区の紀伊国屋書店(鴨川一也撮影)

 今年のノーベル文学賞が発表され、日本を代表する人気作家、村上春樹氏の「落選」がまたも世間をにぎわせた。本人にとってはいい迷惑に違いないが、メディアや「ハルキスト」と呼ばれる一部の熱狂的なファンのはしゃぎぶりは相変わらずだった。これだけ期待されながら、なぜ村上春樹氏はノーベル賞を取れないのか。(iRONNA

 平成18年にノーベル文学賞の登竜門といわれるチェコのフランツ・カフカ賞を受賞して以来、イギリス政府公認のブックメーカーによって、毎年のように受賞者の上位に予想される村上春樹が「今年も落選」の報は日本中を駆け巡った。

 欧米以外の国々に暮らす作家がノーベル文学賞の候補者となる条件の一つに、その中心的作品のいくつかが英語をはじめとする欧米語に翻訳されていることがある。その意味では、欧米各国語だけでなく、約50カ国語に翻訳され、世界中に読者を持つ村上春樹が、毎年のようにノーベル文学賞の「候補」に挙げられてきたのは当然と言っていいかもしれない。

 にもかかわらず、なぜ、これまで村上春樹は受賞できなかったのだろうか。私から見ると、彼の「落選」は大騒ぎするようなことではなく、納得できるものであった。ノーベル文学賞というのは「人気」ではなく、その文学がどんなメッセージを内包しているかが重要だ、と思っているからである。

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