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【ロケ地巡りの旅】NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(群馬・桐生市 水沼製糸所跡) 生糸輸出切り開いた2人の兄弟

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【ロケ地巡りの旅】
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(群馬・桐生市 水沼製糸所跡) 生糸輸出切り開いた2人の兄弟

星野長太郎が設立した水沼製糸所の跡地。現在は長屋門や土蔵が残る=群馬県桐生市黒保根町水沼 星野長太郎が設立した水沼製糸所の跡地。現在は長屋門や土蔵が残る=群馬県桐生市黒保根町水沼

 吉田松陰の妹・文(ふみ)の生涯を描くNHK大河ドラマ「花燃ゆ」。10月11日放送の第41回「いざ、群馬へ」でようやく舞台が群馬に移り、群馬県ゆかりの人物の登場が増えてきた。

 第42回「世界に賭ける糸」で登場した、星野長太郎、新井領一郎兄弟も群馬の蚕糸絹業の歴史を語る上で欠かせない存在だ。ドラマ後の「花燃ゆ」紀行で紹介された「水沼製糸所」は星野長太郎が明治7(1874)年に設立した日本で最初の民間経営の器械製糸所だ。

 2人は水沼村(旧黒保根村、現桐生市)の出身で、星野家は地域の豪農だった。かつて黒保根村教育委員会で教育長を務め、黒保根村誌を編纂(へんさん)した川池三男さん(84)によると、長太郎は明治22(1889)年に黒保根村となる8村の指導者的存在だった。

 当時の農家は養蚕を営み、農閑期には座繰りで糸を紡ぐのが一般的だった。しかし、個々の農家が作る糸は太さ、色、艶がそれぞれ違い、品質は安定しなかった。

 そこで長太郎は1カ所で生糸を作れる製糸所を村内に設立しようと考え、前橋藩営の製糸所でノウハウを学んだ。

 水沼製糸所で作られる糸の品質は高く、明治11年のパリ万博で金牌を授与されるレベルだった。しかし、当時の国産生糸の国際的評価は低く、外国商人に買いたたかれるのが常だった。

 そこで長太郎は英語が堪能な弟の領一郎を渡米させ、独自販路の開拓に乗り出す。領一郎は苦労しながらも誠実な商法で信用を勝ち取り、生糸の直輸出の道を切り開いていった。

 昭和14年、米国籍を取得した領一郎は米国で没するが、葬儀の日には、全米の生糸取引所で黙?(もくとう)がささげられたという。

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