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【インドネシア高速鉄道】敗因は中国のなりふり構わぬ札束外交 資金繰りも工法もリスクだらけ…「まるでシャブ漬けだ」との声も

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【インドネシア高速鉄道】
敗因は中国のなりふり構わぬ札束外交 資金繰りも工法もリスクだらけ…「まるでシャブ漬けだ」との声も

中国の高速鉄道車両(ブルームバーグ)

 日本側の専門家も、中国案を実現不可能とみる。

 高速鉄道計画のスケジュールについて、日本は2016年に着工し、19年から試験走行を実施した後、21年初頭に開業する案を提示していた。一方の中国案はどうか-。今年9月に着工して18年には完工するのだという。順調に進めば19年に行われるインドネシアの次期大統領選に間に合うため、ジョコ氏の歓心を得ようとする狙いは明らかだった。

 しかし、高速鉄道の実現には土地収用や環境評価に加え、山岳部でのトンネル工事や首都ジャカルタ中心部への高架橋建設など課題が山積している。共産主義の中国と異なり、民主主義のインドネシアでは、法令手続きを順守しつつ、それらの課題を一つずつ解決していかねばならない。

 さらに、中国にはフィリピンでの“前科”がある。04年、首都マニラと約100キロ北にある都市クラークを結ぶ鉄道建設事業を始めたが、工事は遅延。07年の完工予定が12年に延期された。その後もほとんど進展はみられず、工事契約の不透明さを指摘されて事業は全面凍結となった。

 結局、フィリピン政府は日本に支援を要請してきた。日本政府は当初計画の一部区間を対象とした円借款の供与を決め、現在建設が進められている。

 今年7月、日本側に対して「どこの国とは言わないが、事業で問題を起こした国がある」と、暗に中国への不信感をほのめかしたとされるジョコ氏。完工が予定される3年後、ジョコ氏の憂いが現実となったとき、日本に再びチャンスがめぐってきそうだ。

(政治部 小野晋史)

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