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【国を守り隊】白球に代え、「パイロットの夢」追う 防衛大学校硬式野球部唯一の女子部員、笠原千鶴さん(22)

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【国を守り隊】
白球に代え、「パイロットの夢」追う 防衛大学校硬式野球部唯一の女子部員、笠原千鶴さん(22)

防衛大学校硬式野球部唯一の女子部員、笠原千鶴さん(古川有希撮影) 防衛大学校硬式野球部唯一の女子部員、笠原千鶴さん(古川有希撮影)

日本代表選考にも挑戦

 その後、防大に入校したのは「パイロットになりたかった」から。「防大は野球のために入校したのではない。男子の中で野球をやることはない」と思っていたため、剣道部に入部した。

 しかし、「野球をやりたい」という思いが募り、2カ月後には男子部員だけの硬式野球部の門をたたいていた。

 無駄なしきたりがなく、唯一の女子部員に対しても、全く変わらずに接してくれる恵まれた環境の中で野球を続けながら、「女子野球日本代表でプレーする」という昔からの目標にもチャレンジした。

 平成25年、2年の冬に初めて代表選考のトライアウトを受けると、20人以上の捕手の中からわずか2人しか選ばれない、日本代表候補の捕手に選ばれた。

 26年5月初旬、代表合宿を2回経験した後で迎えた最終選考。これまで合宿には参加していなかったプロ選手が参戦したことで、練習の空気が一変した。

 「1球への思い、野球に対しての意識が全く違う。野球でお金を稼ぐというのはこういうことなのかと痛感した」

 プロ選手や女子野球強豪校の選手が名前を連ねる代表メンバーの中に、自分の名前は見つけることはできなかった。

「安心感」ある存在に

 日本代表選考は2年ごとで、今年の冬には次のチャンスが訪れる。だが、来年4月には幹部候補生学校に入校するため、初めから、昨年の挑戦を「最初で最後」と決めていた。

 「野球は将来、趣味として続けていけたらいいが、まずは夢をかなえることに集中したい」。パイロットとして、将来の国防を担う幹部候補生として、新たな目標に向かってしっかりと歩み始めた。

 指導教官の佐藤壮真二等海尉(28)も「(笠原さんは)男子学生が多い防大の中で存在感を放ち、何を任せても安心感がある。自衛隊において女性の活躍は発展途上だが、野球で学んだことを大事にしてパイロットになる夢をかなえてほしい」と、エールを送る。(古川有希)

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