産経ニュース

小笠原のウグイスはイクメン 子育てしないはずが、環境の影響で進化?

ニュース プレミアム

記事詳細

更新


小笠原のウグイスはイクメン 子育てしないはずが、環境の影響で進化?

巣立ったヒナ(手前)にえさのガを与える小笠原・母島のウグイスのオス(国立科学博物館提供)

 小笠原のウグイスは「イクメン」-。子育てをしないことで知られるウグイスの雄だが、東京都小笠原村の母島に生息する雄は、孵化(ふか)したひなに餌を与える行動を取ることが分かった。国立科学博物館の筑波研究施設(つくば市天久保)で鳥類の行動生態を研究している浜尾章二研究員が明らかにした。巣を襲う生物の有無などの影響で生態が変化した可能性があるという。

 調査は昨年5、6月、現地の研究者と共同で実施。巣の近くに備え付けたカメラの映像を解析し、雄が巣の中のひなや巣立ったばかりのひなに餌を与えている様子を確認した。

 鳥類の9割は、つがいになった雄と雌でひなを育てる。これに対してウグイスは、抱卵からひなの巣立ちまでの世話は全て雌が行う。雄は縄張りの中で複数の雌とつがい関係になり、繁殖に励むという。

 ウグイスの巣はヘビや獣などの捕食者に襲われやすく、ひなが成長して巣立つのは1~3割。繁殖期の雄の行動は、より多く子供を残すためとされる。

 浜尾研究員によると、小笠原は人が移り住み始めた1800年代までネズミなどの捕食者の存在はほとんどなかった。加えて母島はウグイスの生息密度が高く、餌が不足する状況にある。このことから、雄は子孫を残すために限りある餌をひなに与える行動を取るとみている。

 浜尾研究員は「繁殖生態は周囲の環境に応じて進化してきたと考えられる」としている。(海老原由紀)

「ニュース」のランキング