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【番頭の時代】第4部・永田町のキーマン(3) 「後藤田五訓」官僚の省益戒め 後藤田正晴元官房長官

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【番頭の時代】
第4部・永田町のキーマン(3) 「後藤田五訓」官僚の省益戒め 後藤田正晴元官房長官

 官邸に出向した官僚は、いずれ出身省庁に戻る。出身省庁の利害を無視した官邸運営に協力すれば人事でしっぺ返しを食らうかもしれない-。後藤田五訓は、こうした官僚の思惑にくぎを刺すことを狙ったものだった。内閣5室の室長人事で関係省庁の案を一蹴したほか、国鉄民営化に反対する総裁を更迭する大なたを振るったのも、人事権を見せつけることで官邸の主導権を確保する狙いだった。

 後藤田自身も出身省庁の警察庁には特に厳しく接し、人員増などの予算要求を「警察官をただ増やせばいいというものではない。街頭で見かける警察官が減っているが、いったいどこに行っているのか」と突っぱね続けたという。

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 後藤田を官房長官の理想像としたのは仙谷や菅だけではない。麻生太郎内閣で官房長官を務めた河村建夫は就任直後に後藤田の名前を挙げているし、野田佳彦内閣の官房長官、藤村修も23年10月26日の衆院内閣委員会で後藤田五訓を読み上げている。

 とはいえ、中曽根内閣が発足してからすでに30年以上が過ぎた。官房長官秘書官として仕えた平沢は「後藤田さんの時代と比べ、今は国際社会が急ピッチで変化する。何事も慎重なところがあった後藤田さんのやり方が今でも通じるとはかぎらない」と指摘する。

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