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【話の肖像画プレミアム】戸田奈津子(78)=映画字幕翻訳者=コッポラ監督が抜擢、“誤訳”の批判は「気にしない」

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【話の肖像画プレミアム】
戸田奈津子(78)=映画字幕翻訳者=コッポラ監督が抜擢、“誤訳”の批判は「気にしない」

(野村成次撮影)

「私に向いている」揺るがず

 〈映画の字幕翻訳で戸田さんといえば、いまやその名前を知らない人はいない。しかし、本格的に翻訳を手がけるようになったのは40歳を過ぎてからだった〉

 字幕翻訳者になることをあきらめられなかったのは、映画が好きで、字幕翻訳が私にあっているという直感があったからです。その確信は絶対に揺るぎませんでした。

 でもすぐには字幕翻訳者にはなれないから、大学卒業後は第一生命保険の社長秘書になったんです。社長の英語の手紙を処理する仕事でした。午前9時から午後5時までオフィスにいなければいけない上、とにかく暇だし、ルールも窮屈だった。結局、1年半で見切りをつけました。組織にあわない性分だと痛感しました。そういえば小学生の頃の通信簿には「協調性がない」と先生の一筆がありましたね(笑)。

 字幕翻訳の仕事は一人で全部をやるので私に向いていたんです。私の直感は非常に正しかった。すごい時間はかかったけど。

 〈字幕翻訳以外の仕事には関心がない〉

 子供のころからフィクションが好きでした。本を読むことは自分の知らない世界をイマジネーションで遊ぶことだったんです。

 映画はその延長。知らない世界を想像する面白さが好きなので、映画が好きとはいっても、宣伝や批評などには一切興味がないんです。映画だけの人生なんて、といわれるかもしれませんが、ほかに生きたい道がなかったから仕方ありません。役者はその役にしかなれないけど、翻訳で台詞(せりふ)をつけるためには出演者全員になりきらなくてはいけない。私はこれまで1500本以上の映画を翻訳して1500以上の世界に行ったんだから、やりたいことはもうないわ(笑)。

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