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【話の肖像画プレミアム】戸田奈津子(78)=映画字幕翻訳者=コッポラ監督が抜擢、“誤訳”の批判は「気にしない」

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【話の肖像画プレミアム】
戸田奈津子(78)=映画字幕翻訳者=コッポラ監督が抜擢、“誤訳”の批判は「気にしない」

(野村成次撮影)

 〈洋画でなじんだ英語を学び始めたのは中学に通い初めてからだった〉

 「映画に出ている外国人が話す言葉が学べる!」と当初は喜んだのですが、教えられるのは発音記号ばかりでガックリ。でも、2年生で出会った先生の授業で英文和訳の面白さを知り、成績は上がり、英語との相性もよくなりました。大学受験では英文科しかないと思い、津田塾大を選びました。英語はそれまでの積み重ねがあるからなんとかなると思っていましたね。在学中は大学に到着する前に映画館に消えることもたびたびでした(笑)。映画を見てさえいれば幸せでしたから。

 生の英語に接したかったので、大学2、3年で海外のバレリーナが日本の若いバレリーナたちを指導する際の通訳のバイトをやりました。「play(演じる)」と「pray(祈る)」の発音を混同して笑われるといったような恥もたくさんかきましたね。

 〈字幕の存在を意識するようになったのは高校の時だった〉

 高校時代にしびれたのは『第三の男』(昭和24年)。何度も見るうちに字幕は直訳ではなく、台詞(せりふ)の要素をうまく日本語に置き換える作業だと知り、面白そうだなと思うようになりました。それが脳裏に残っていたので、大学で就職活動をするときに字幕翻訳の仕事をしたいと思ったのでしょう。でも映画界にコネはない。そこでたびたび映画の巻末に登場する「日本版字幕 清水俊二」というお名前を電話帳で調べて「字幕翻訳をしたいのですが」と大胆にも手紙を出したんです。先生は会ってくださいましたが、「字幕をやりたいとは困ったね」と言われた。がっかりしましたが、最初からうまくいくわけはありません。「あきらめないぞ」という気持ちをしっかり抱いて帰りました。

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