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【話の肖像画プレミアム】蜷川幸雄(79)=演出家=灰皿を投げたきっかけはほうきでの立ち回り

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【話の肖像画プレミアム】
蜷川幸雄(79)=演出家=灰皿を投げたきっかけはほうきでの立ち回り

(川口良介撮影)

 稽古では怒鳴りまくりです。駄目ならキャストもすぐ入れ替える。その繰り返し。本の読み方、芝居作りの過程を明らかにしていく。古典の戯曲を勉強しないで、俳優として生き残った例なんかない。何年かははやっても、絶対に生き残らない。それを教えようとしているのですが、「カリギュラ」(26年)で、「ちょっと手応えあったな」と思い始めました。

 〈若手俳優を抜擢(ばってき)する「目」には、定評がある。藤原竜也さん、小栗旬さん、勝村政信さん、松重豊さん…。みな蜷川演出の舞台で発掘され、大きく羽ばたいた俳優だ

 自分が育てたなどとは決して思わないですが、「これはいいなぁ」と思った俳優が、どんどんはやっていくと、いい気持ちですよ。基本的に僕はトップにいかないで、手前で世の中を斜(しゃ)に見ている俳優が好きなんだよね(笑)。

 トップを横目で見ながら、「おれたちだって…」と思っている鬱屈した若者に、活躍の場を作る。「こいつら、悪そうでいいなぁ」と思っていたら、みんないい俳優になったもんね。

 〈4月5日からは、シェークスピア作品「リチャード2世」を上演した。彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)がシェークスピアの全戯曲を上演するシリーズの第30弾として、初の「ネクスト」の公演。「ゴールド」も出演した

 無名の若者たちで、新しいシェークスピアを作れないかと思っているんです。せっかく劇場が2つの“手段”を抱えているのだから、それを生かす。2つの劇団は、一種の大家族主義のようなところがあって、お弁当をあげっこしたりして、みんなが支え合う。ネクストの若者は、ゴールドを手伝うだけで社会を知るんです。現実の家族では無理でも、フィクションなら解放される何かがあり、自分の親にまで想像力が膨らめば狙い通り。そういうことも使いながら、集団の真ん中に古典劇を置きたい。

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