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【話の肖像画プレミアム】蜷川幸雄(79)=演出家=灰皿を投げたきっかけはほうきでの立ち回り

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【話の肖像画プレミアム】
蜷川幸雄(79)=演出家=灰皿を投げたきっかけはほうきでの立ち回り

(川口良介撮影)

 〈49年には、商業演劇の演出も手がける。市川染五郎さん(現・松本幸四郎)と中野良子さんが主演した日生劇場の「ロミオとジュリエット」。当時38歳で、商業演劇を演出したために桜社(現代人劇場の後身)は解散した

 僕は経験を積んで劇団へ戻るつもりだったけれど、みんなが自分たちを捨てた演出家は嫌だと。今は小劇場の演出家も商業演劇を手がけますが、それができない時代だった。だから居直って、意地になって商業演劇で生きようと思った。でも演出の仕事で食べていけるようになったのは45歳を過ぎてからです。それまではヒモ。子供ができたときは、主夫になりました。

 〈過去の新聞記事には、「灰皿が飛ぶ」「稽古場のオニ」などと書かれている

 最初に灰皿を投げたのは「ロミオとジュリエット」の稽古場です。その他大勢の役がサングラスをしている。スリッパはいて、剣の代わりにほうきを持ってくる。それで、幕開きの乱闘シーンで、チャーンチャーンチャン(と立ち回り)。それじゃあ誰だって灰皿投げるよ。声がかれるからと、舞台稽古でも本気の声を出さないんだから。でも今は何も投げません(笑)。

生活者の視点から高齢者劇団を

 〈平成18年から、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)の芸術監督を務める。就任にあたり「高齢者劇団を作りたい」という条件を出した

 最初は、埼玉県もよく意味が分かっていなかったんだろうと思います。当時の担当者も「どうぞどうぞ」という感じでした。僕は若いときから、自分のやっている芝居を年寄りがやったらどうなるか-と考えていた。年寄りという生活者が、僕の芝居を批評的に演じる場が欲しいと思っていたんです。生活者が見て分からない芝居は、やってもしようがないですから。

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