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【焦土からのプレーボール 濃人渉物語(5)】 放棄試合…2軍監督へ降格 帰郷、古葉カープ見守る

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【焦土からのプレーボール 濃人渉物語(5)】
 放棄試合…2軍監督へ降格 帰郷、古葉カープ見守る

広島のオープン戦で解説する濃人渉(中央)。右は元祖カープ女子として知られる広島ファンの女優、松岡きっこ=1982年3月「広島テレビの50年」より

 この日は阪神OBの村山実とのダブル解説だった。アナウンサーの加藤進は「今、広島の夜空へ向かって古葉監督の体が二度、三度と舞いました」。胴上げを実況中、隣の濃人と村山が2人ともはなをすすりながら泣いているのに気づいた。

 濃人は古葉の、村山はかつての弟分、江夏豊の晴れ姿にそれぞれ感極まったのだった。

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 濃人が解説する広島戦の勝率は高かったが、負けが込むと神社にお参りした。「よほど古葉さんがかわいかったのでしょう」と長男の宏。

 晩年に宏の妻、玲子へ「買ってきてほしい」と頼んだのは石原裕次郎のレコード『わが人生に悔いなし』だった。濃人は針を落としながら「俺も好きなように生き、人生をおう歌したから悔いはないよ」とつぶやいた。

 90年10月10日、結腸がんのため75歳で死去。広島での原爆体験はあまり語らず、医療費などが無料となる被爆者健康手帳も「他に困っている人がたくさんいる」と懐へ忍ばせたまま使わなかった。

 ぼだい寺「広済寺」住職の広済兼寿(ひろずみ・けんじゅ)が穏やかな笑顔、人柄を思い起こして付けた法名は「和顔院釈徳玄(わげんいんしゃくとくげん)」。戦後70年の今年はくしくも濃人の生誕100年に当たる。=敬称略 (三浦馨)

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