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【満州文化物語(3)】歌に舞台に語り継がれる大連、夢の都「連鎖街」

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【満州文化物語(3)】
歌に舞台に語り継がれる大連、夢の都「連鎖街」

絵はがきに描かれた大連の新名所「連鎖商店街」 絵はがきに描かれた大連の新名所「連鎖商店街」

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銀座や心斎橋以上の「街」

 「大連は夢の都だった」という作家の井上ひさし(平成22年、75歳で死去)は終戦前後の大連を舞台にした2つの芝居を書いている。「連鎖街のひとびと」(平成12年初演、こまつ座)と「円生と志ん生」(同17年同)だ。

 落語家の5代目古今亭志ん生と6代目三遊亭円生は終戦の年の昭和20年5月、内地よりも安全で、自由で、食料や酒もふんだんにある、とニラんで満州へ渡る。8月9日に突然、ソ連軍(当時)がなだれ込んでくるまでは、その通りだったのだが、事態は一変。2人は大連から出られなくなってしまう。井上の芝居には、2人が終戦直前、連鎖商店街にあった常盤座という映画館兼劇場で落語をやったり、終戦後、円生が素人劇団の役者をやっていた話が出てくるが、これは事実だ。

 人気バンド、サザンオールスターズの桑田佳祐(59)が書いた曲『流れる雲を追いかけて』(昭和57年)にも連鎖商店街を思わせる歌詞やダンスホールなどが登場する。桑田の父親(故人)は、旧制大連三中の出身。同級生によれば、父親は戦後も大連時代を懐かしみ、同窓会によく顔を出していたという。

 もっとも歌でいうなら、昭和7(1932)年にコロムビアレコードから発売された「大連行進曲」が“大先輩”だ。5番の歌詞に連鎖街が出てくる。《夜の大連 あの連鎖街 シネマ帰りか 靴の音 ペーブメント(舗装歩道)に ネオンが咲いて…》。7年といえば満州国が建国された年。それを機に「新天地を目指せ」と満州ブームが起きる。「大連行進曲」は詞を地元紙が懸賞付きで募集、作曲は古関裕而(こせきゆうじ)が担当した。

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