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【揺れる「祝祭」(1)】新国立、責任なすり合い「文科省もJSCも素人」

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【揺れる「祝祭」(1)】
新国立、責任なすり合い「文科省もJSCも素人」

薄暮が迫る新国立競技場の建設予定地。東京五輪に完成は間に合うのか =23日午後、東京都新宿区(古厩正樹撮影)

 責任の所在がようやく示された。政府は21日、安倍晋三首相が白紙に戻した新国立競技場の整備計画を再検討する、関係閣僚の初会合を開いた。議長は遠藤利明五輪相、脇を固めるのは菅義偉官房長官や麻生太郎財務相ら政権の中枢。「内閣全体として責任を持って建設を進める」。安倍首相はこう明言した。

 2020年東京五輪・パラリンピックは、いまだメーン会場の輪郭が描けない。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が、デザインを手がけた建築家、ザハ・ハディド氏の事務所などと結んだ契約は計約60億円。大半は支払い済みだ。JSC側は未了の業務について「払わずに済むよう交渉する」というが、東京の掲げた「コンパクト五輪」は壮大な無駄遣いで早くもつまずいた。

 政府はJSCを所管する文部科学省を見限り、国土交通省に主導権を渡す。同省には「官庁営繕部」という部署がある。他省庁が大型施設を建てる際に予算を預かり、設計段階から完成した建物の引き渡しまで全て請け負う大型公共工事のプロだ。新国立の計画も、同部が担うとみられる。

 文科省が旧国立の改修に向けて調査費を計上したのは12年度だった。耐震化工事を施し、7万席以上の規模に改修した場合の試算が800億円。約7万2千席の日産スタジアム(横浜市)が約600億円で「これだと建て替えてもあまり変わらない」と、文科省幹部は楽観していた。

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