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【スポーツ異聞】今は昔「コートでは誰でも一人きり」 形骸化する「コーチング禁止」 

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【スポーツ異聞】
今は昔「コートでは誰でも一人きり」 形骸化する「コーチング禁止」 

世界ランク1位のジョコビッチのコーチとして手腕を発揮するボリス・ベッカー氏。「コーチング違反」の噂は消えない…(AP)

 スポーツは情報戦が勝負の鍵を握る。しかし、テニスに限ってはどうも勝手が違う。試合中、コート外にいるコーチから忠告や指導を受ける「コーチング」は原則、ルール違反の対象になる。世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が最近、コーチング疑惑についてメディアから質問を浴びせられ、一蹴するひと幕があった。多くのスポーツでは試合中にコーチや監督からアドバイスを受けるのは日常的だが、男子テニスの主要ツアーでは厳しくコントロールされてきた。どんな孤独の極限にあっても、ピンチから抜ける道は己で見いだす-そんな原則が背景にあるのだが、古きよき「孤高の精神」に賛否もあり、形骸化の声も出ている。

テニスのコーチは「観客」か?

 テニスのコーチは通常、観客席で試合を見届ける。コートサイドで選手に指示を与えることが禁止されているためだ。両者が会話を交わすことはもちろん、トイレットブレークでコーチと接触することもNGだ。言い換えれば、ゲーム中はコーチといえど応援するファンと変わらぬ立場に置かれる。

 コートの中か、外か-。テニスの「コーチング論争」は以前からあり、コーチング禁止のルールは選手によっては煙たがられてきた。ジョコビッチには以前からコーチングの“噂”が絶えず、現役時代「ブンブン・サーブ」の愛称で知られたボリス・ベッカー・コーチとの試合中のやりとりがメディアに取り上げられてきた。一見、孤高のプレーヤーに見える英雄・ジョコでも、ひとたびピンチとなれば不安に襲われ、信頼できるコーチにサポートを暗に要求する、人間らしい一面と解釈することもできそうだが…

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