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【満州文化物語(1)】ハイグレードな日本人の暮らし…水戸黄門「格さん」一家3代の夢

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【満州文化物語(1)】
ハイグレードな日本人の暮らし…水戸黄門「格さん」一家3代の夢

 「バーカジノ」の前でダンサーに抱かれる横内正  「バーカジノ」の前でダンサーに抱かれる横内正

 「食客のような人たちが大勢いたらしい。戦後『お父さんに世話になりました』といろんな人が訪ねてきて、父の人脈に驚いたことがある。母(静子、平成20年101歳で没)は淡谷さんと仲が良く、僕が俳優になって共演したとき『カジノの息子です』とあいさつしたら、『おー、そうなの』って、とても喜んでくださいましてね」

 当時の大連は、アジアでは上海に次ぐ、「ジャズの聖地」であった。

引き揚げで奪われた名器

 戦争が激しくなってからも大連は別世界だった。内地では物資や食糧が不足し、生活や文化に対する当局の締め付けが厳しくなってゆく中で、空襲もめったになかった大連へ、新京(現中国東北部・長春)、奉天(同瀋陽)、ハルビンへ、と芸術家、文化人が流れてゆく。

 すべてを打ち壊したのが突然のソ連軍(当時)侵攻である。昭和20年8月9日、ソ連の大軍は日ソ中立条約を破って満州へなだれ込む。そして、日本人が築き上げてきた営みを蹂躙(じゅうりん)し尽くした。

 横内の幼い記憶に残るのは、地下に大きなホールがあった「バーカジノ」が避難所として使われていたこと。ソ連軍の戦車が轟音(ごうおん)を響かせて大連の街に入ってきた姿だ。一家の引き揚げは翌21年。そのとき、父、澤二は命にも等しいストラディバリウスのバイオリンをソ連兵に没収されてしまう。

 「終戦後、父は食いぶちがなくて、キャバレーを回ったり、無声映画の伴奏もやった。浮き沈みが激しいからと、息子たちが芸能の世界に進むのには大反対。でもいざそうなってみると、一番喜んだのは父だったなぁ」

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