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【上田知事4選出馬(上)】 崩れた「上田勇退、大野後継」シナリオ…支援団体の理解得られず

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【上田知事4選出馬(上)】
 崩れた「上田勇退、大野後継」シナリオ…支援団体の理解得られず

式典で同席した現職・上田清司知事(右端)と大野元裕参院議員(左端)。2人の間では知事選に向けた協議が進んでいた=14日、埼玉県春日部市

 大野は中東情勢の専門家で、平成22年の参院選に民主から出馬し初当選。24年には1期目ながら防衛政務官を務めた。祖父の大野元(もと)美(よし)は川口市長を6期20年務め、川口自民党(現自民党川口支部)を組織。昭和47年に知事選に出馬し、敗れはしたものの約70万票を集めた。

 「上田知事が出馬しないなら知事選を前向きに検討したい。選挙も知事に頼らず自前でやる」。大野側が上田側にこう伝えたのは今月8日。5月中旬の打診から3週間が経過していた。

 知事側近は「大野氏は実務能力が高い。本人の周囲からは、民主を離れて無所属で知事選に出馬すれば、自民の重鎮だった祖父に顔向けできるという話すら聞こえてきた」と話す。

 大野の意向を聞いた上田は表情を緩ませたという。事務所関係者は「出馬を見送る可能性が出てきたと感じた」と振り返った。

 上田は翌9日夜に都内で大野本人と面会し、数日後にも大野と具体的な協議を進めた。わずか1週間のうちに大野擁立の構図が現実味を帯びていった。

「上田だから応援するんだ」

 そして16日朝。

 「自分は引退して大野を立てるかもしれない。そうなれば大野の代わりに参院補選に出馬する」。上田は明言を避けつつも、出馬見送りの意向を県内の有力支援者に伝えた。

 だが数時間後、側近が耳にしたのは「(大野の擁立が)難しくなった」という上田の言葉だった。

 側近は「支援を約束してくれていた県市長会などの団体や政治家から『上田だから応援するんだ』と言われてしまった。これは誤算だった」と明かす。

 その夜、上田は公務で埼玉スタジアム(さいたま市)でのサッカー日本代表戦を観戦した後に大野と会い、「自分が出るしかない」と伝えたという。大野側の関係者は「会合は数時間かかるかとも思ったが、あっさりと終わった。まさか、こんなことになるとは思わなかった」と驚き、悔しさをにじませた。

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