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【高校野球100年】なぜ、日本人は甲子園に熱狂し続けるのか、「美談」の裏には犠牲者も…

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【高校野球100年】
なぜ、日本人は甲子園に熱狂し続けるのか、「美談」の裏には犠牲者も…

PL学園時代の桑田真澄。「KKコンビ」の清原とともに甲子園の申し子となった

 大正4年、旧制中学の野球の全国大会が始まって今年で100年を迎えた。「高校野球発祥100周年」ということで甲子園の激闘の模様をテレビやラジオで中継してきたNHKにとっても節目の年ということなのか、自局オンラインで「高校野球100年のものがたり」を立ち上げた。聖地・甲子園での激闘や歴史の断片に光を当て、視聴者からは高校野球の思い出を募集している。高校野球に対する「特別視」は昨今始まったわけではないが、公共放送による“ヨイショ”には節度が必要だ。元球児や関係者にあえて苦言を呈してもらう懐の深さにも期待したいのだが…。

深紅の優勝旗が盗まれた

 甲子園コンテンツでは他局に勝るとも劣らないNHKらしいドラマチックな構成。歴史と伝統に彩られた名勝負の数々を再現し、過去の甲子園での全試合のスコアを検索できるなど資料的価値も十分だ。

 「甲子園トリビア」という項目では、歴史に埋もれた小さな真実が浮かび上がる。1954年夏を制した常連・中京商(現・中京大中京)で、校長室に保管してあった深紅の優勝旗が何者かに盗まれた。犯人は分からなかったが、その後、消えた優勝旗が近くの中学校の床下から発見された。この盗難事件が教訓となり、優勝旗を翌年の返還まで「銀行」に預ける学校が増えたとか。地上波で伝えるには少しはばかれるトリビアだけに、普段はお堅いNHKの柔軟性を一応、評価したい。

「球数制限」への視点

 甲子園は戦争で中止となった時期を除き、春と夏の年2回、日本の「風物詩」として続いてきた。100年というアニバーサリーで自然と力が入るのは分かるが、これまで物議を醸してきた“インシデント”に触れない姿勢は少々残念である。

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