産経ニュース

【安倍政権考】芥川龍之介「藪の中」を彷彿させる日朝交渉 「包括的調査」という曖昧合意で迷走は始まった…

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【安倍政権考】
芥川龍之介「藪の中」を彷彿させる日朝交渉 「包括的調査」という曖昧合意で迷走は始まった…

拉致被害者家族会メンバー(右側)に安倍晋三首相は「あらゆる手段を尽くす」と拉致問題解決の決意を伝えた=4月3日、首相官邸

 結局、平壌派遣は外務省の強力な後押しで実現することになった。安倍首相も拉致問題を政権の「最重要課題」と位置付けている手前、無碍に断るわけにもいかなかった。日本政府は交渉継続という「成果」を得たが、北朝鮮のペースに飲み込まれることも余儀なくされた。

「あらゆる手段を尽くす」

 小説では刺殺した容疑者が誰なのか最後まで明らかにされない。読者は想像を膨らませるしかなく、もやもやした気分に支配される。同じように日朝交渉に期待していた拉致被害者家族の心も晴れない。

 安倍首相は4月3日、家族会メンバーと官邸で面会し、自らも鼓舞するかのように「全ての拉致被害者が日本の地を踏むことができる結果を出すために、あらゆる手段を尽くす」と決意表明した。

 今回の交渉が、日朝双方の視点で成り立った曖昧な合意でスタートしたものであっても、首相は「藪の中」から拉致被害者を救出する策を見つける努力を続けるしかない。

(政治部 比護義則)

このニュースの写真

  • 芥川龍之介「藪の中」を彷彿させる日朝交渉 「包括的調査」という曖昧合意で迷走は始まった…
  • 芥川龍之介「藪の中」を彷彿させる日朝交渉 「包括的調査」という曖昧合意で迷走は始まった…

「ニュース」のランキング