産経ニュース

【秘録金正日(26)】病気の叔父押しのけ、長老らを籠絡「次世代に譲るべき」

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【秘録金正日(26)】
病気の叔父押しのけ、長老らを籠絡「次世代に譲るべき」

伝記『時代の星』(1984年)に掲載された執筆中の金正日。「親愛なる指導者、金正日同志」と記されている 伝記『時代の星』(1984年)に掲載された執筆中の金正日。「親愛なる指導者、金正日同志」と記されている

 英柱が政権内の空気を察して、正日を推すふりをして見せたのか、兄、日成の意中を試してみるつもりで心にもない言葉を口にしたのかは不明だが、提案は「否決」される。支持を表明した金一や崔庸健、崔賢らに対し、朝鮮人民軍総参謀長の呉振宇(オ・ジヌ)が態度を保留した。

 日成自身が「もうちょっと様子を見よう」と発言する。この場では、正日を後継者として公式に推薦する前に、まず英柱が指揮すべき業務の一部を正式に任せることで合意を得た。

「後継者」による暗殺未遂の衝撃

 その後、しばらく後継者問題は封印されるが、71年9月、金日成に衝撃を与える事件が中国で起こる。

 中国共産党中央委員会主席、毛沢東の「最も親密な戦友であり、後継者」として知られていた副主席、林彪(りん・ぴょう)が「毛沢東を暗殺しようとして失敗、ソ連へ逃亡途中に飛行機が墜落して死亡した」という発表があったのだ。

 この事件を契機に、日成は後継者問題を真剣に考えざるを得なくなる。後継者をめぐって混乱が生じることを懸念したパルチザン出身者らも、この問題を当面の最重要課題と認識し、政治委員会で幾度となく後継問題を議論する。

 日成は、まだ59歳と若かったが、首の後ろにできたこぶが徐々に大きくなっていたので、健康を心配する声も上がった。

秘録金正日のニュース

このニュースの写真

  • 【秘録金正日(1)】最後の電話は「正恩へのいらだち」 愛娘と禁断のワインを手に…

「ニュース」のランキング