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【アジアの目】“犬猿マレーシア・シンガポール”50年経て「一体化」加速の動きが示す“隣国の教訓”

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【アジアの目】
“犬猿マレーシア・シンガポール”50年経て「一体化」加速の動きが示す“隣国の教訓”

 今週初め、シンガポールで行われた同国のリー・シェンロン首相とマレーシアのナジブ・ラザク首相の首脳会談は、両国が分離してから半世紀を経て、“一体化”をめざす新たな時代へと大きく動いていることを示すものとなった。

 「両国関係が今ほど良かったことは、かつてなかったと言っても過言ではない」

 ナジブ首相は、会談後の講演でこう述べたが、その言葉は50年前、マレーシア連邦というひとつの国から分かれた両国が、互いを必要とし、発展をめざす現在の関係になるまで半世紀といういかに長い時間がかかったかを示した。

 今回の会談では両国を結ぶ高速鉄道建設やジョホール州のイスカンダル地区開発など経済面に加え、安全保障面での関係緊密化などでも合意した。

 世界中どこでも似たようなもので、隣国同士は仲が悪いというのはシンガポールとマレーシアも例外ではなかった。水供給の大半をマレーシアに頼ってきたシンガポールにすれば、マレーシアに長年、首根っこを押さえられてきた。また、かつてシンガポールの真ん中を南北に貫いていたマレー鉄道は、その軌道がマレーシアからの租借地で、シンガポールが都市開発を進める際の障害となっていた。

 一方、マレーシア側は、シンガポールの繁栄の影で、マレー人が低賃金での労働を強いられてきたと批判。シンガポールの故リー・クアンユー元首相が、米紙のインタビューで人種政策をめぐりマレーシアを批判したときも、マハティール・モハマド元首相は、シンガポールこそ7割の華人が9割の経済を握り、多民族を差別していると反論したほどだ。

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