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【匠を訪ねて(6)】天野浩教授、岩崎恭子さんにも 静岡県民栄誉賞の盾を制作する彫刻家・松田裕康さん 細かいバランス「美術家にしかできない」

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【匠を訪ねて(6)】
天野浩教授、岩崎恭子さんにも 静岡県民栄誉賞の盾を制作する彫刻家・松田裕康さん 細かいバランス「美術家にしかできない」

静岡県民栄誉賞受賞者に授与される盾を制作した彫刻家の松田裕康さん=同県藤枝市

 昨年度のノーベル物理学賞を受賞した天野浩・名古屋大教授(浜松市出身)が、1月に静岡県から授与された県民栄誉賞。その記念の純銀製の盾を平成4年に斉藤滋与史知事(当時)から依頼されて制作したのが藤枝市の彫刻家、松田裕康さんだ。最初は、バルセロナ五輪の競泳女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子さん(沼津市出身)を顕彰するためだったという。

 盾は約7キロと重量感のある作りで、大きさは四方23センチ、厚さ1センチ。始めに粘土で原型となるレリーフを制作し、これを型取りして石膏(せっこう)製の盾を作る。それをさらに鋳造業者が型取りして、純銀を流し込んで完成させる。

 県の地形と富士山をイメージした県章をレリーフの中心に配置。四方は県花のつつじで囲まれている。初期のデザインでは、中央に天女が舞っている姿を配していたが、斉藤知事から中央に県章を配置するように指定されて作り直した。

 県章は、富士山の形などの曲線や線の幅まで細かくミリ単位でサイズが規定されており、「いっそのこと、メダルやトロフィーを作る記章業者がコンピューターで正確に作った方がいいのでは」と思ったこともあったという。

 ただ、つつじの花びらや県章の位置、形といった全体のバランスを、へらや彫刻刀を使いながら細かくデザインしていくのは「美術家にしかできない。あまり自分の考えは反映できなかったが、やはり俺の作品だな」と笑う。

 彫刻を始めたのは、友達から誘われて高校の美術部に入ったときだった。「作らないとおもちゃがない時代」に育ち、竹とんぼや潜水艦の模型などモノを作ること自体は好きだったが、美術に特別興味があったわけではなかった。

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