産経ニュース

【安保改定の真実(7)】先鋭化する社会党「米帝は日中の敵!」 5・19強行採決で事態一転…牧歌的デモじわり過激化 そして犠牲者が

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【安保改定の真実(7)】
先鋭化する社会党「米帝は日中の敵!」 5・19強行採決で事態一転…牧歌的デモじわり過激化 そして犠牲者が

参加者たちが両手をつなぎ路上を埋め尽くすフレンチデモ。女性たちはおしゃれに着飾りまるでお祭りのようだった=昭和35年5月 有楽町・日劇前

 「女子学生が死んだらしい」-。午後7時半すぎ、こんな噂(うわさ)がデモ隊に流れた。午後8時すぎ、社会党議員が仲裁に入り、午後9時すぎ、国会敷地内で全学連の抗議集会が開かれた。ここで女子大生の死が報告され、黙祷(もくとう)をささげた。

 集会後、学生の一部は暴徒化し、警察車両にも放火。翌16日未明、警察は催涙ガスを使用し、デモ隊を解散させた。この騒動で負傷した学生は約400人、逮捕者は約200人に上った。警察官も約300人が負傷した。

 死亡した女子大生は樺だった。検死結果は「胸部圧迫と頭部内出血」だった。

 長崎は入院先の病院で樺の死を知った。「まさかデモで死んじゃうとは…」とショックだった。

 長崎と樺は大学1年からの友人だった。3年で長崎は東洋史、樺は国史を専攻したが、交流は続いた。樺は学者を目指して徳川慶喜に関する卒論に取り組んでいたという。

 「こんな安保改定を行う岸信介はけしからん。われわれの卒論も哀れな末路をたどりそうだ。学問を邪魔するとはけしからん」

 笑顔でこう語ったのが、樺との最後の会話だった。

(敬称略)

次のニュース

のニュース

このニュースの写真

  • 【安保改定の真実(1)】ホテル地下の極秘核シェルター アイクが恐れた米ソ核戦争 「共産主義者はサーベルを鳴らし続けた…」
  • 【安保改定の真実(1)】ホテル地下の極秘核シェルター アイクが恐れた米ソ核戦争 「共産主義者はサーベルを鳴らし続けた…」

「ニュース」のランキング